ラウンド(Rounds)とは
testingOsakaの活動において、「コンセント(同意)」による意思決定を支える重要な仕組みが 「ラウンド」です。 ラウンドとは、集団の知性を引き出し、利用可能な情報を逐次処理するためのシンプルなファシリテーション形式です。その基本原則は極めてシンプルで、 「1人ずつ順番に話す」いうものです。
なぜラウンドをするのか?
ラウンドを導入することで、コミュニティに以下の重要な価値がもたらされます。
- 集団による知性の活用: 全員の声を順番に聴くことで、特定の個人では見落とされがちな洞察や情報を収集します。多様な視点を統合することで、複雑な状況に対してより多角的で質の高い判断が可能になります。
- 心理的安全性の確保: 全員に等しい発言の機会を提供し、声の大きい特定の人物による支配を防ぎます。やまずんが声がでかいからね。かならず自分の声が聞かれる安心感は、参加者のエンゲージメントを高め、情報の透明性を向上させます。
- プロセスの効率化: 会話の重複を避け、焦点を絞った議論を促進します。1人ずつ話すことで、対立的な議論(卓球のような言い合い)に陥るリスクを軽減し、目的達成に向けて効率的に進むことができます。
ラウンドの基本手順とルール
ラウンドを円滑に進めるためには、明確な手順とルールがあります。
- 開始: ファシリテーターは、ラウンドを始めるにあたって具体的な「問い」や「テーマ」を明確に提示します。
- 順序: 話す順番を決定します(オンラインであれば参加者リスト順など)。
- パスの権利: 話す準備ができていない、あるいは他の方の意見と完全に同じで付け加える内容がない場合、参加者は「パス」を宣言できます。これは時間を有効に使うための重要な権利です。
- 傾聴: 他者の発言中、割り込みや直接的な反論、議論は禁止されます。参加者は「全体のために聴く」ことに集中します。
アートフル・パーティシペーション(巧みな参加)
ラウンド中は、参加者全員に 「アートフル・パーティシペーション(巧みな参加)」が求められます。 これは「現在の環境において、全体の利益のために、自分の能力の限りを尽くして行動する」という姿勢です。
自分の発言が全体の目的に貢献しているか自問自答し、個人の好みではなくコミュニティにとっての最善を考え、他者の発言を尊重する環境を全員で維持します。
ラウンドの主な種類
話し合いの目的に応じて、異なる種類のラウンドを活用します。コンセントによる意思決定のプロセスでも、これらを組み合わせて進行します。
- チェックイン・ラウンド: 会議の冒頭で参加者の現在の状態を確認し、会議に集中できる環境を整えます。
- 質問・明確化ラウンド: 提案に対する理解を深めるため、不明点を確認する「質問のみ」を行います。
- リアクション(感想)・ラウンド: 提案に対する個人的な意見、感情、感想を順番に共有し、場に多様な視点を出します。
- 同意(コンセント)ラウンド: 提案に対し、コミュニティにとって害となるような「異議」の有無を一人ひとりに確認します。
- *チェックアウト・ラウンド: 会議の最後にプロセスを振り返り、継続的な改善のためのフィードバックを共有します。
まとめ
ラウンドは単なる会議の形式ではなく、全員の知性を結集し、コミュニティが学習し適応し続けるための基盤です。
全員で知恵を出し合い「現時点で十分に良く、試すのに十分に安全」な決定を実験として実行し、その結果を再びラウンドで振り返り、改善していく。
このサイクルを繰り返すことで、testingOsakaは継続的に進化していきます。
参考文献
Rau, T., & Koch-Gonzalez, J. (2023). Many Voices One Song: Shared Power with Sociocracy (Kindle ed.). Sociocracy For All.